『恋文の技術』 森見 登美彦
★★★★☆
書簡形式で書かれた作品。
海月(くらげ)の研究のために京都から能登半島に出向した大学院生が主人公。
愛しの思い人に最高のラブレターを書くために、友人、先輩、妹や小学生と文通武者修行を開始する。
この作者の小説には、放漫で天上天下唯我独尊な女性がお決まりのようにでてくるような気がする。
そして主人公はヒロインに振り回されるという可哀そうな役回りになるのだ。
仕返しをしようと謀略をめぐらせても、二倍三倍にして返される。情けないけど笑ってしまう。
手紙という制約されたスタイルなのに、けっして退屈ではなく、むしろ映画のように登場人物達が動きまくる。ストーリーも面白い。
個人的に谷口さんが好きなのでスピンオフがあれば是非読みたいなぁ。