はいはいサテライト

プログラミング、ピアノ、読書

『少し変わった子あります』 森 博嗣

★★★★★
少し変わった子あります
行方不明の友人から昔紹介された料理屋。
営業場所は不定。あるときは繁華街の地下。あるときは芸術家の遺した家。またあるときは廃校の一部屋で。
会員制の高級料亭のような趣だが、風変わりなのは、女の子と一緒に食事をするというシステム。
そう書いてしまうとちょっと猥褻なお店のようだが、女の子とはただ一緒に食事をするだけ。
しかも、一度会った女の子とは二度と会うことはない。
奇妙な店に戸惑いつつも、何か気になり何度も足をのばしてしまう主人公の大学教授。

プロットを利用して再構築すれば「世にも奇妙な物語」の脚本になりそう。
個人的に好きなのは、ほとんど会話もせずに、それでも場の空気を愉しみながらたんたんと食事をする、という話。
会話もせずに知らない女の子と食事なんて気まずくて食事が喉をとおらなそうですが、静かに、美しく時が流れていきます。

ちょっとお高そうなのが気になりますが(女の子の分の料理代も当然請求されます)一度行ってみたいです、こんな店。
でも、主人公のような知的な会話は無理だろうな。。