はいはいサテライト

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『幽霊が多すぎる』 ポール・ギャリコ

幽霊が多すぎる (創元推理文庫)
★★★★☆
ギャリコの作品では『雪のひとひら』しか読んだことがなく、ギャリコ=童話作家のイメージでした。
この小説も、幽霊屋敷にすむ人間と幽霊が巻き起こすハートフルコメディのような内容だと勝手に想像して読み始めましたが、意外とオーソドックスな推理小説風味でした。

ある屋敷で起こった怪事件の数々を心霊探偵ヒーローが真相を解明していきます。
不思議な現象もタネが明らかになると生きている人間のいたずらや奇術に過ぎません。ただし、超常現象を否定しているわけではなく、ひとつだけ本当に不思議な出来事も起こってしまうところに、この作家のユーモアを感じました。
恋愛が重要なキーになっており(むしろ幽霊そっちのけでイチャついてる)登場人物の半分以上が誰かしらに恋してます。その割にはドロドロにならずさっぱりとした印象がきもちいい。